【読書メモ】「運の方程式」を読んで「これは」と思ったこと

読書メモ
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運の方程式」を読んで僕自身の中で「これは」と思ったことをまとめました。

個人的評価:3.7

・運を科学的に説明した本
・最終的に言っていることは多くのビジネス本の内容に帰結する
・「心の迷走」(≠瞑想)の考え方は個人的に新しくて良かった
・「自分は運が悪い」と思い込んでいる人にはおすすめ

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運の方程式を読んでの学び

◆ 運の方程式

  幸運 =(行動 × 多様 + 察知) × 回復

行動:人生の中で実行する、具体的なアクションの量と質

多様:アクション(行動)のバリエーション

察知:身の回りで起きる小さな変化に気づく能力

回復:失敗から素早く立ち直り、再び新たなアクションを起こす能力

「アクションの総量を増やし」「行動の多様性を広げ」「予期せぬ変化に意識を向けつつ」「失敗から何度も立ち直りチャレンジし続ける」ことで「単なる偶然」を「ポジティブな巡り合わせ」に変えていく

「行動/多様」 - ワールドマップを探索する

◆ 天才に共通する性格は「開放性の高さ」
 ・未知な情報にポジティブな興味を持ち、そのモチベーションを行動に移すことのできる性格
  →つまり、天才は「好奇心が強い

 ・ビジネスの世界では、特定の分野/業界だけで働いてきたCEOよりも、様々な分野/業界で働いてきたCEOの方が業績が良い
  →ジェネラリスト > スペシャリスト

◆ 「上手くいっているふり」で好奇心をインストールする
 ・自分があたかも好奇心を備えた人間のふりをし続け、その行動を繰り返し行う
 ・好奇心をインストールするためのアクションの例
  - 今まで見たことないジャンルの映画を見る
  - 飲食店で今まで食べたことがない新しいメニューを注文する
  - もし空を飛べるとしたら何をするか、5分間考えてみる
  - 好きな曲を聴きながら、その曲のどの部分が好きなのかを5分間考えてみる
  - 日常生活の中で気になることを見つけ、その答えをネットで探す

◆ 「反新奇バイアス」に気を付ける
 ・「反新奇バイアス」= 無意識のうちに未知の体験や見知らぬ情報に嫌悪感を抱く心理的メカニズム
 ・新しい考えや行動には不確実性が伴ったり、社会的に拒絶される可能性が高く、人間が新しいことを嫌うのはそれを回避しようとするため

◆ 「日常行動チェック」で反新奇バイアスから逃れる
 ・「知らないうちに昔の習慣に捕らわれていないか?」を確かめるトレーニング方法
  ① 「好奇心インストールのためのアクション」に対して、自分の「いつもの行動」を3つ書き出す
  ② いつもの行動とはかけ離れた「新しい行動」を3つ書き出す
   →チェックを意図的に行うだけで、反新奇バイアスの罠にはまる確率は下がる

「察知」 - 攻略のヒントに気づく

◆ 身の回りの小さな変化に気づく
 ・新しい経験と知識をいくら積み重ねても、身の回りに起きた良い偶然をキャッチできなければ意味がない

◆ 死ぬまで「問い続ける」ことをやめてはいけない
 ・普段から自問自答しながら生活している人は学業や仕事の成績高く、健康やお金に関する目標の達成率も高い
  →これらは自分で考えた解決策(自答)の量や質とは関係なく、ただ目の前の出来事に何らかの問いを立てただけでも日々の生活のパフォーマンスは向上する
  →良い質問にはメタ認知を刺激する働きがある

◆ 「知的謙虚さ」を鍛える
 ・「知的謙虚さ」とは、自分の知識と能力の限界を正しく把握できている状態のことで、察知力を高めるためには欠かせない要素の1つ

 ・知的謙虚さを鍛えるトレーニング

メリット学習法
 知的謙虚さの効果やメリットを学び、身につけることでどのような変化が起きるのかを知る
 メリット①:事実の見極めが上手くなる
       →常に物事のエビデンスに注意を払うようになる
 メリット②:幅広い知識が身につく
       →自分の意見と異なる主張に対しても深く考えるようになる
 メリット③:他人に好かれやすくなる
       →意見が異なる人も積極的に受け入れ、他人から好かれやすくなる
 メリット④:人間関係で有利になる
       →コミュニケーション能力が高く、対人関係の問題を解決するのが上手くなる

◆ エラー確認法
 以下の2ステップで、普段から自分の意見を疑う
 ① 何かに確信を持ったら一旦立ち止まる
 ② 「自分は間違っていないだろうか?」と自問する

「継続」 - メインクエストに挑む

◆ 「ホットストリーク」を意図的に引き起こす
 ・「ホットストリーク」とはギャンブルなどにおいて「勝利が勝利を呼ぶ」状態のことで、いわば「確変状態」のようなもの

 ・人生の確変状態に入った著名人の多くは、その直前に多様な実験を行い、処理が続くようになってからはリソースを1点に集中していた
  →「幅広い実験」と「1点集中」の2つを交互に繰り返し、これを継続することで運を正しく活かせるようになる

◆ 継続力を鍛えるトレーニング

忍耐のマイクロドーズ
 「マイクロドーズ=少量の摂取」ということから、少しの我慢を必要とするタスクを継続して行い、その積み重ねで継続力を向上させる

◆ 効果
 マッコーリー大学のテストでは、運動不足の男女に「30分間の運動を週に1回、2か月間継続する」ことを指示。その後の変化を記録すると、運動の習慣が身についた者は同時に以下の効果もあったことが分かった
 ・アルコールやタバコの量が減った
 ・貯金の額、野菜を食べる量、勉強時間などが増えた
  →週1の運動(=少しの我慢)を続けるうちに「自分はできる人間だ」という自覚が芽生え、このメンタリティが人生を変えるモチベーションを生んだ

◆ 実践方法
 ① 「どう頑張っても無理だ:10点」「何の苦もなくできる:1点」としたときに、3~4点くらいの「少しだけ忍耐を必要とする」タスクを選ぶ
 ② 「これを我慢すれば長期的にメリットがある」と思うタスクを選ぶ

◆ 忍耐のマイクロドーズアクションの例
 ・仕事や作業中はスマホを遠くにおいて置き、見ないようにする
 ・仕事の約束や待ち合わせなどに、5~10分前に到着する
 ・食事が終わったら、すぐに皿洗いをして片づける
 ・寝る前に、次の日のTODOリストを作成する
 ・毎日の睡眠時間を決め、時間通りに寝て起きる

自己調和ゴール分析
 自分の価値観、才能、興味に適したタスクを分析し、それを継続して行うこと

◆ モチベーションの4つの種類
 ・外的動機:「報酬を受け取る」「罰を避ける」などの外部からの期待や要求に対する動機
 ・義務動機:他者と比較した評価などから義務感が発生して起こる動機
 ・統合動機:そのタスクの価値を心から信じることで発生する動機
 ・内発動機:タスクそのものから継続するモチベーションを得る動機
  →このうち、「統合動機」「内発動機」の2つが継続力が高くなりやすい

◆ 分析の3ステップ
 ① タスクのリストアップ
   →今取り組んでいる(または今後取り組みたい)タスクを「8つ」書き出す

 ② リソースを注ぐ理由の分析
   →モチベーションの4タイプのうち、それぞれどれくらい当てはまるか10点満点で採点する
   外的動機の質問:
    ・このタスクは、他の人が私に望んでいるものか?
    ・このタスクは、何らかの報酬や承認目当てで行いたいのか?
    ・このタスクをしたい理由は、何らかの外部の状況に影響されているからか?
    ・このタスクをしたい理由は、何らかのネガティブな事態を回避したいからか?
   義務動機の質問:
    ・このタスクを行わないと、恥ずかしいと感じるか?
    ・このタスクを行わないと、不安や罪悪感を抱くか?
    ・このタスクを行うことを、義務だと感じていないか?
   統合動機の質問:
    ・このタスクを、本当に重要だと信じているか?
    ・最初は誰かから勧められたものだとしても、今は必要なことだと心から感じているか?
    ・このタスクを、正しいことだと心から感じているか?
   内発動機の質問:
    ・このタスクから得られる、体験そのものへの興味を持っているか?
    ・このタスクがもたらす、楽しみや刺激を魅力的に感じているか?
    ・このタスクを行うべき理由が他にあったとしても、体験そのものへの興味が一番か?

 ③ 自己調和スコアの計算
   →②で採点した点数を以下の式で計算する
    自己調和スコア = (統合 + 内発) - (外的 + 義務)
    →スコアが高かったものほどリソースを注ぐべきタスクとなる

「回復」 - コンティニューを繰り返す

◆ 初期の大失敗が長期的な成功をもたらす
 ・長年にわたって生き残る企業の共通点は?
  - キャリアの初期に大きな失敗を経験する
  - 最初の失敗から2度目の失敗までのスパンが短い
  - 失敗の原因を分析し、失敗から多くのことを学んでいる
   →「挫折から立ち直る力」「失敗を糧にする力」が高い

◆ 回復力を鍛えるトレーニング

◆ 科学者マインドセット
 世の中の問題を以下のような視点で捉える
 ・問題を解くためには、仮説と検証を繰り返すしかない
 ・実験の失敗とは、新しく得られたデータの一つでしかない
  →仮説と検証の考え方を知るだけでも回復力が高まる

◆ 手順
 ① 何らかの失敗に直面した際に、自分自身へ以下のように言い聞かせる
  ・失敗は人間の行動においてごく自然な物であり、私の能力の低さを示すものではない
  ・失敗の中には、将来の改善に役立つ重要な情報が含まれている

 ② その失敗に対して、仮説と検証を繰り返す
 例) ランニングを習慣にしようとしたが、三日坊主で終わってしまった
   →以下のように仮説を立てて検証してみる
    「もしランニングをする時間を夜に変えたらどうなるか?」
    「今回の三日坊主と、過去の失敗はどのお要に似ているか?」
    「ランニング以外のエクササイズを行ったらどうなるか?」

「迷走」 - 別のゲームを始める

◆ 同じゲームで遊び続けてはいけない
 人は「過去の成功にこだわってはいけない」と頭では理解しつつも、好みの成功パターンを無意識に追いかけてしまう性質がある
 →「過去の幸運にしがみつく」「特定の成功パターンにこだわる」と、多様な行動が失われ自ら運の方程式を捨てることになる

◆ 心の迷走が、あなたを過去の成功から解き放つ
 「心の迷走」とは、目の前の作業とは関係のない無益な思考が脳内に浮かぶ状態(いわゆる「自動思考」)のこと
 →過去に吸収した大量の記憶を改めて意識の上に浮かびあがらせ、断片的な記憶が繋がり思いもよらぬ発想を生んでくれる

◆ 迷走トレーニング

迷走をスケジュールする
 迷走を意図的に発生させる
 ① 心を迷走させるタイミングを前もって決めておく
 ② 決めた時間にだけ心を迷走させる
  →1日当たり15~30分が目安

◆ 瞑想誘発タスクを行う
 心の迷走はシンプルな作業の最中に発生しやすいため、迷走を誘発しやすい以下のようなタスクとセットで考える
 ・シンプルな運動:ウォーキング、ジョギング等
 ・軽い雑用:簡単な片づけ等
 ・手だけを動かす作業:編み物、草むしり等

◆ 孤独を選ぶ
 「非社交的」な人ほど創造性が高いという研究結果を参考に、孤独の時間を作る
 →「平日1時間早く出社する」「休日の○○時から1時間は一人で過ごす」などを決めておく
   ※ ここでの「非社交的な人」とは、「自ら他社との交流は求めないが、仲間からの誘いを断ったりもしない」「一人でいても寂しさを感じず、孤独を楽しむことができる」人のこと

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