「エッセンシャル思考」を読んで僕自身の中で「これは」と思ったことをまとめました。
また、エッセンシャル思考の続編にあたる「エフォートレス思考」も非常に面白かったので、興味がある人は読んでみてください。
PART1:エッセンシャル思考とは何か
エッセンシャル思考とは
より多くの仕事をこなすためのものではなく、やり方を変えるための考え方
・「やらなくては」ではなく「やると決める」
・「どれも大事」ではなく「大事なものはめったにない」
・「全部できる」ではなく「何でもできるが、全部はやらない」
第1章:「エッセンシャル思考」と「非エッセンシャル思考」
◆ 「エッセンシャル思考」⇔「非エッセンシャル思考」の違い
・考え方
非エッセンシャル思考:みんな・すべて
エッセンシャル思考 :より少なく、しかしより良く
・行動
非エッセンシャル思考:やることをでたらめに増やす
エッセンシャル思考 :やることを計画的に減らす
・結果
非エッセンシャル思考:無力感
エッセンシャル思考 :充実感
◆ エッセンシャル思考の基本となる3つの考え方
① 選択:トレードオフを受け入れ、時間とエネルギーの使い道を選ぶ
② ノイズ:世の中の大半のものはノイズであり、何が重要かを正しく見極めなければならない
③ トレードオフ:「何かを選ぶこと」は「何かを捨てること」ということを知る
第2章:選択 ――― 選ぶ力を取り戻す
◆ 「選ぶ」ことを選ぶ
・「選択の外的側面(どんな選択肢があるか)」ではなく「選択の内的側面(選ぶ能力、自由意志)」に目を向ける
→「選択肢がない」のではなく、「自分で選ぶことを手放しているだけ」である
・選ぶことを手放す理由の1つとして「学習性無力感」がある
→過去のたび重なる失敗経験や自分で選択することができない状況、多すぎる選択肢などによって「自分で選びとる」こと自体を忘れ、「他人の選択」で行動してしまう
第3章:ノイズ ――― 大多数のものは無価値である
◆ 「重要な少数」は「瑣末な多数」に勝る
・「80対20の法則(パレートの法則)」
→成果の80%は、20%の努力に起因している。つまり大多数のものごとには価値はなく、ごく少数のものごとに莫大な価値がある
・非エッセンシャル思考の人は「大多数のものごとが重要」だと考えるが、エッセンシャル思考では「大多数のものごとは不要である」と考える
第4章:トレードオフ ――― 何かを選ぶことは、何かを捨てること
◆トレードオフを無視することの代償
・何かに「イエス」と言うことは、その他すべてに「ノー」と言うことであり、すべてを実行することはできない
→大切なのは、優先順位を決めること。トレードオフから目を背けても、トレードオフから逃れることはできない
PART2:見極める技術
第5章:孤独 ――― 考えるためのスペースを作る
◆ 日々の生活に考える余裕を作りだす
・考える余裕(時間、静かな環境)は勝手にできるわけではなく、自ら作りだす必要がある
→考える余裕が作れない場合、仕事の量が多すぎる可能性が高い
・忙しい人(時)ほど考える時間を確保することが重要
→例えば、1日のスケジュールの中にあらかじめ「空白の時間」を2時間程確保しておく
・同様に、読書の時間も効果的
→例えば、1日の仕事始めの30分前を読書の時間にあてておく
第6章:洞察 ――― 情報の本質を掴みとる
◆ 多くの情報の中から本質を見抜く
・瑣末な細部に気を取られず、大局を見て情報の中の大筋を理解する
→非エッセンシャル思考の人は、話を聞きながらいつも何かを言う準備をしている
結果、そのことばかりに気を取られ話の本質を見逃してしまう
◆ ジャーナリストの目を手に入れる
・物事の本質を見抜くために、ジャーナリストの考え方を参考に以下の4つの方法を試してみる
① 日記をつける:
毎日2~3行でも良いので1日の出来事を記し、2~3か月ごとに読み返す
② 現場を見る:
何かの問題を解決しようとするとき、頭の中だけで考えずに実際にその問題が発生している現場に足を運び、問題の本質を見抜く
③ 普通を知り、逸脱を探す
対象について深い知識を身に付け、話の流れの大筋を見失わないようにする
④ 問題を明確にする
問い(問題)に対して曖昧な答えを出すのは簡単だが、曖昧な答えはさらなる曖昧さを生み誤解と無理解の悪循環をもたらす
第7章:遊び ――― 内なる子供の声を聴く
◆ 「遊び」こそエッセンシャル思考に不可欠な要素である
・エッセンシャル思考にとって、遊びは以下の3つの点で役に立つ
◆ 選択肢を広げられる
今まで気づかなかった可能性や、思いがけない繋がりに気づきやすくなることで視野が広がり、常識に捉われないやり方が見えてくる
◆ ストレスが軽減される
生産性を下げ、好奇心や創造性の働きを弱めるストレスから脳を守ってくれる
◆ 脳の高度な機能が活性化される
遊びは脳の実行機能に良い影響を与える
※ 実行機能:計画、優先順位付け、スケジューリング、分析などのビジネスに欠かせないスキル
→遊びは本質を探究するのに役立つだけでなく、それ自体がどこまでも本質的である
◆ 遊びの例
・デスクの周りにぬいぐるみやフィギアを並べる
・オフィスの壁に好きな絵本のポスターを飾る
・会議室を自由な発想で飾り立てる(西部劇風の酒場、山小屋など)
・会社の敷地内に巨大な恐竜の像がある
→これらはGoogleやIDEO、ピクサーなどの有名企業が実際に取り入れている
第8章:睡眠 ――― 1時間の眠りが数時間分の成果を生む
◆ 「自分自身」という資産を守る
・「働きすぎること」は簡単であり、本当に難しいのは「働き過ぎないように自分を制御すること」である
→「自分の能力に自信があるなら、ひとつ大きな難題に挑戦してみてください。目の前のチャンスをきっぱりと断り、昼寝をするんです」
◆ 「非エッセンシャル思考」⇔「エッセンシャル思考」の睡眠に対する考え方
・非エッセンシャル思考
・もう1時間睡眠を削れば、もう1時間仕事ができる
・睡眠は「義務」であり、時間を食いつぶす足手まといだ
・エッセンシャル思考
・もう1時間眠れば、数時間分の生産性が手に入る
・睡眠は「武器」であり、自分のパフォーマンスを最大限に引き出す方法だ
◆ まとまった睡眠時間が取れない人は「昼寝」するだけでも良い
・レム睡眠が一度でもあれば、脳は情報の整理と再構築を行うことができる
第9章:選抜 ――― もっとも厳しい基準で決める
◆ 90点ルールを取り入れる
・基準の中で最重要事項を1つ決め、その基準に従って選択肢を100点満点で評価し、90点未満は全て0点とする
◆ 人材採用
「この人はできそうだな」という程度の人は全て不採用にする
◆ イベントへの招待
本気でわくわくするもの以外はすべてキャンセルする
◆ 引っ越し先の選定
「住めたらいいな」という場所を除外し、「この街しかない」という場所を探す
→「絶対にイエスだと言いきれないなら、それはすなわちノーである」
PART3:捨てる技術
第10章:目標 ――― 最終形を明確にする
◆ 「かなり明確」を「完全に明確」にする
・仕事の目的が明確でないとき、大きく以下の2つのパターンの弊害が起きる
◆ パターン1:社内政治が蔓延する
仕事のゴールが見えずに勝ち方が分からないので、「上司の歓心を買う」という方法に逃げる
→結果、時間とエネルギーが表面的な事故演出やご機嫌取りに費やされる
◆ パターン2:何でも屋になる
会社の明確な方向性が見えないとき、人それぞれ目先の利益を追求するようになり動きがバラバラになる
→結果、いつまでも大きな成果につながるようなゴールにたどり着けない
◆ 本質目標を決める
・本質目標を一度決めることができれば、その後の無数の決断は不要になる
「本質目標」と「それ以外の目標」の考え方は以下の通り

◆ 価値観
「イノベーション」「リーダーシップ」「チームワーク」などの企業が重視している価値観で、ごく一般的でありインスピレーションを掻き立てない
◆ 四半期目標
「昨年比売上5%アップ」など、非常に具体的だが魅力的ではない
◆ ビジョン/ミッション
「世界を変える」など、魅力的だが具体性に乏しい
◆ 本質目標
具体的で魅力的であり、かつ測定可能な目標
第11章:拒否 ――― 断固として上手に断る
◆ 自分にとって本質的ではないことを依頼されたときの「非エッセンシャル思考」⇔「エッセンシャル思考」の考え方
・非エッセンシャル思考
・周囲の期待やプレッシャーに負け、相手を失望させないために不本意な「イエス」を言ってしまう
・一瞬の気分の良さのためにどんな依頼も引き受け、その後長く深い後悔に悩まされる
・エッセンシャル思考
・勇気のある人を高く評価し尊敬すると知っているため、きっぱりと上手に「ノー」と言う
・依頼を引き受けた際の気分の良さが長続きしないことを知っているため、本当に重要な依頼だけを引き受ける
◆ 上手に「ノー」という技術
◆ 判断を関係性から切り離す
誰かに何かを頼まれるのは関係性の問題ではないため、その依頼を断ること=相手を拒絶することでもない
◆ 直接的でない表現を使う
やんわりと断る、「あいにく手がいっぱいで...」「ちょっと時間があるかどうか...」
◆ トレードオフに目を向ける
「ここでイエスといった場合、もっと価値あることを失うことにならないだろうか?」と考える
◆ 誰もが何かを売り込んでいると理解する
相手が何を売り込もうとし、自分はそれによって何を失うのかを意識する
◆ 一時の好印象よりも、敬意を手に入れようとする
ノーを言うことで短期的に気まずくなることはあるが、長期的には相手からの敬意を手に入れることができる
◆ 曖昧な「イエス」はただの迷惑だと気づく
相手にとって、曖昧なまま答えを引き延ばされるよりも、はっきりと断られる方が良い
◆ 断り方のレパートリー
◆ とりあえず黙る
何かを依頼されたときにすぐ反応するのではなく、沈黙を味方に付ける。
もう少し慣れてきたら、今度は相手が気まずくなって何か言うまで待ってみる
◆ 代替案を出す
相手を遠ざけるのではなく、代替案を出して相手に歩み寄りながら断る
◆ 予定を確認して折り返す
その場ですぐに答えを出さず、少し時間をおいて考えてから断る
◆ 自動返信を利用する
「今は○○で忙しいため、返信が遅くなります」などの自動返信メールを設定をしておく
◆ 相手にトレードオフを意識させる
「はい、この仕事を優先でやります。それでどの仕事を後回しにすればよいですか?」
「この仕事を優先すると、全体的に品質がかなり落ちてしまいますが問題ないですか?」
◆ 冗談っぽく断る
親しい間柄であれば、真面目に断るよりも冗談っぽく断る方が雰囲気も悪くせずに済む
◆ 肯定を使って否定する
いくらかは力になりたいが、全面的に巻き込まれたくない場合に有効
◆ 別の人を紹介する
「今ちょっと忙しいので難しいんですが、彼なら時間があると思います」
→大切なのは「もっとゆっくりイエスを言い、もっと素早くノーを言うこと」である
第12章:キャンセル ――― 過去の損失を切り捨てる
◆ 様々な心理的バイアスに気をつける
・サンクコスト(埋没費用)バイアス
「ここでやめたら今までの投資(時間、お金)が無駄になる」と考え、いつまでも同じことをやり続けてしまう
・授かり効果
わざわざ買おうと思わないものでも、いざ所有してみると大切に思えてしまい、失うのが怖くなる
・現状維持バイアス
「いつも(今までも)やっているから」という理由だけで、無駄だと分かっているのにやめられない傾向
◆ 必要のないもの・行動を上手に手放すテクニック
◆ 持ってないふりをする
ものや行動に対して「どれくらいの価値があるか?」と考えるのではなく、「まだこれを持っていないとしたら、手に入れるのにいくらのコストを払うか?」と考える
◆ 失敗を認め、成功に向かう
自分の失敗を認めたとき、初めてその失敗は過去のものになり、失敗を認めることは自分が以前よりも賢くなったことを意味すると認識する
◆ 第三者の意見を聞いてみる
自分に合わないことにとらわれているときは、利害関係のない第三者に冷静な意見を聞いてみる
◆ ゼロベースで考える
今の生活スタイルをベースとして考えるのではなく、何もない状態から時間やお金の使い方を考えてみる
◆ 逆プロトタイプを試してみる
何かをやめたいと思ったとき、最初はそれを簡素化したり少しずつやめてみて、最終的に問題がないかどうかを確かめる
第13章:編集 ――― 余剰を削り、本質を取り出す
◆ 自分の生き方や仕事を編集する
編集の4原則は以下の通り
① 削除する
選択肢を増やした方が安心だと考える人は多いが、決断の本質は選択肢を減らすことである
② 凝縮する
人生における凝縮とは、「結果に対する行動の比率を減らすこと=より少ない行動でより大きな成果を得るようにすること」である
③ 修正する
人生における本質的な目標を明確にしておけば、それに合わせて行動を修正できる
④ 抑制する
反射的に何かをすることをやめ、何もしないことを選ぶ
→非エッセンシャル思考の人は何にでもやたらと手を出し、いざとなったら編集しようと考えるが、エッセンシャル思考の人は小まめに行動を振り返り、小さな編集を積み重ねる
第14章:線引き ――― 境界を決めると自由になれる
◆ 自分の中で「ここからは譲れない」という境界線を引く
・非エッセンシャル思考
・境界線を引かずに「何だってこなせるし、全部片づけてやる」と考える
・忙しくなりすぎて、結局何一つまともに完成させられなくなる
・エッセンシャル思考
・「一度でも例外を許したら、その後は例外だらけになってしまう」と考える
・自分の中で境界線を引くことで自分の時間を守る
◆ 面倒な人たちと一線を画す
他人の面倒な干渉から自分の領域を守るためのいくつかのヒント
◆ 他人の問題を横取りしないようにする
本人の解決すべき問題は本人に解決させる。そのためには自分と他人の間に頑丈な堀(境界線)を作り、「ここからは譲れない」という線を明確に決めておく
◆ 自分の境界線がどこかを知っておく
どんなときに「またこの人に邪魔をされた」「この依頼はさすがに断るしかない」と思ったか、そこが自分の境界線である
◆ 難しい相手とは契約を結ぶ
何かを始める前に相手と契約(約束事)を決めておき、その範囲からは絶対に逸脱しないようにする
PART4:しくみ化の技術
第15章:バッファ ――― 最悪の事態を想定する
◆ 最悪の事態を想定して十分なバッファを取る
・非エッセンシャル思考
・条件に恵まれたケースを前提として希望的観測で予定を立てる
・急にまとまったお金が入ったとき、パーっと使ってしまう
・エッセンシャル思考
・あらかじめ何かが起こることを想定して予定を立てる
・急にまとまったお金が入ったとき、いざというときに備えて貯蓄する
◆ 上手にバッファを作るコツ
◆ 徹底的に準備する
「世の中に確実なことはない」ということを深く理解し、上手くいくことを前提にせず何が起こってもいいように徹底的に準備をする
◆ 見積りを1.5倍で考える
「周囲によく思われたいから」という理由で、作業にかかる時間を短く見積もりすぎる傾向を「計画錯誤(プランニング・ファラシー)」と言い、その対策のために見積りは常に1.5倍にしておく
◆「シナリオ・プランニング」でリスクを軽減する
今取り組んでいる物事(仕事やプライベートのことなど)について、以下のように考えてみる
① この物事にはどんなリスクがあるか?
② 最悪の場合、どんなことになりうるか?
③ 周囲の人への影響はどのようなものがあるか?
④ そのリスクは自分(または会社)にとってどの程度の経済的負担となるか?
⑤ このリスクを減らすためにどのような投資を行うべきか?
→⑤の問いに対する答えが、広い意味でのバッファとなる
第16章:削減 ――― 仕事を減らし、成果を増やす
◆ 仕事や日々の生活の中での「ボトルネック」を特定する
・非エッセンシャル思考
・目の前の問題だけを見て、特に問題ない箇所を場当たり的に改善しようとする
・応急処置でつぎはぎだらけ
・エッセンシャル思考
・目の前の問題に惑わされず、問題の本質を見極め最も問題がある特定の個所だけを改善する
・本当に必要な個所に一度だけメスを入れる
◆ 成果を改善するための3つのコツ
人やお金を増やす代わりに、制約や障害を取り除く
① 目指すことを明確にする
・最終的にどこへたどり着きたいのかを明確にする
→「木曜の午後2時までにレポートの走行を15ページ作成し、顧客にメールで送る」
② ボトルネックを特定する
・仕事の完成を邪魔するものをリストアップし、どこから取り除くかの優先順位をつける
・生産的で前向きな行動が大きな邪魔になる場合もあるということを理解する
→「完成度を高めるために書き直す」ことは「草稿を作成する」という目的にそぐわない
③ 邪魔なものを取り除く
・例えばボトルネックが「完璧にしないと済まない性格」だった場合、その考えを捨てて「完璧を目指すよりもまずは終わらせることが大事」と考える
第17章:前進 ――― 小さな一歩を積み重ねる
◆ 「非エッセンシャル思考」⇔「エッセンシャル思考」の目標に対する考え方
・非エッセンシャル思考
・何でも頑張ろうとし、大きな成果を求めて多くの努力をする
・派手な目標を掲げる
・エッセンシャル思考
・何でもいっぺんにやろうとせず、最小限の努力で小さな成功を積み重ねる
・小さな達成感を大切にする
→人間のモチベーションに対して最も効果的なのは「前に進んでいる」という実感である
◆ 小さく始めて大きな成果を得るためのコツ
◆ 最小限の進歩を重ねる
「重要なことをやり遂げるために、最低限意味のある進歩は何か?」と考える
◆ 早く小さく始める
× 遅く大きく:最後の最後ですべてを一気にやろうとする
〇 早く小さく:できるだけ早い時期に着手し、軽い負担で終わらせる
→自分が抱えている目標や締め切りに対して「今すぐできる最小限の準備は何か?」と考える
◆ 進歩を目に見える形にする
目標やゴールが近づく様子を目に見えるように、日々の進捗に小さなしるしをつける
例) その日の目標を達成したら、チェック表に1枚シールをはる
→小さく始めて日々の小さな進捗を評価し、それを何度も繰り返す。
第18章:習慣 ――― 本質的な行動を無意識化する
◆ 正しい習慣がクリエイティビティを生む
・本質的な目標に向かう行動を習慣づければ、習慣をつくる段階で少しだけ努力するだけで、後は無意識のうちに目標を達成できる
→毎回難しい判断する必要はなくなり、誘惑から目を背けるためにエネルギーを使う必要もなくなる
◆ 「悪いクセ」を治し、「良い習慣」を身につける方法
◆ 行動を引き起こすトリガーを知る
あらゆる習慣には「トリガー」「行動」「報酬」の3つの要素がある
トリガー:ある行動を自動的に呼び起こすためのきっかけ
行動:肉体の動作、感情や思考の動きなど
報酬:行動に対する「快感」などのご褒美
→悪い習慣を変えるためには「行動」よりも「トリガー」に着目し、別の有益な行動と結びつける
最初はかなり抵抗があるが、それでも新しい行動をやり続けていればトリガーと行動の結びつきが脳に定着していき、やがて新しい行動が習慣化する
◆ 新しいトリガーを作る
新しい習慣を身につける際は新しいトリガーを設定し、そのトリガーをきっかけとして有益な行動を起こせばよい
例) 「日記を書く」ということを新しい習慣にしたい場合、「夜寝る前にスマホを充電するタイミングで日記帳を取り出す」ということを新しいトリガーとして設定する
◆ 習慣づくりはひとつずつ行う
ひとつだけ新しい習慣を始めてみて、それが定着したら次の習慣に取り組む
→長年の悪いクセは脳の奥まで沁み込み、一瞬にして買われるほど単純ではないため、少しずつ改善していく
第19章:集中 ――― 「今、何が重要か」を考える
◆ 過去や未来にとらわれない
過去の失敗を後悔したり、未来への不安に対して悩んだりするのではなく、今この瞬間に何が大事かを考える
◆ 集中の対象をひとつに決める
複数のことを並行して行うこと(マルチタスク)が難しいわけではなく、複数の対象に注意を払うこと(マルチフォーカス)が難しいことを理解する
◆ 今ここを生きるテクニック
◆ 「今、何が重要か」を考える
やることが多すぎて何から手を付けていいか分からなくなったら一度深呼吸をし、今すぐやるべきことをリストアップしてそれ以外は忘れる
◆ 未来を頭の中に抱えない
数時間後のことや明日の瑣末な作業のことは忘れても構わない
その代わり「今すぐ必要ではないが、重要なこと」も合わせてリストアップし、「覚えているうちに何かやらなくては」という漠然とした焦りから解放される
◆ 優先順位を付ける
リストアップしたやること一覧に対して優先順位を付け、ひとつ終わるたびに線を引いて消す
◆ マインドフルネスを身につける
日々の生活を振り返り、カイロス(「今だ」と感じるタイミング)的な瞬間を見つける、それを日記などに書きとめて、どんなときに「今、ここ」を感じられるかを分析する
第20章:未来 ――― エッセンシャル思考を生きる
◆ 本質を生きる方法
エッセンシャル思考のアプローチには以下の2つがある
・生活のあちこちに取り入れ、表面的にエッセンシャル思考をまとっている状態
・自分の中心(=人生の核)にエッセンシャル思考がある状態


→エッセンシャル思考を自分の中心に据えることができれば、一つひとつの判断や行動がその核の周りに蓄積し、非エッセンシャル思考をどんどん押しのけていき、エッセンシャル思考はやがて生まれつきのように自然な性質となる

◆ シンプルな人生は幸福である
エッセンシャル思考を生きる(=シンプルな人生を生きる)ことの具体的なメリットは以下の通り
◆ 迷わない
「大量のTODOリストを効率的にこなす」よりも「そもそもTODOリストがすっきりしている」状態
◆ 流されない
他人の判断に振り回されたりこき使われたりしない、そのために自分自身で優先順位を決める
◆ 生活が楽しくなる
自分の真にやるべきことが見えていると、日々の生活が充実し今をもっと楽しめるようになる
まとめ
長くなってしまいましたが、個人的な学びと実行していきたいアクションは以下の通りです。
・毎日睡眠時間を7.5時間以上確保する
確保できない場合は、昼休憩などで20~30分の昼寝を取り入れる
・仕事で何か依頼されたとき、イエスマンにならずにノーと言うための考え方・テクニックを実践する
・不要なものや惰性で続けている行動を手放すとき、「今からこれを手に入れる(始める)ために、どれくらいのコスト(お金、時間)を払うか?」と考えてみる
・「ブログ」や「筋トレ」など自分が行っている習慣について、例えばデータを取るなどして日々の進捗を可視化し、達成感を得られやすいように工夫する
いきなりエッセンシャル思考の核を身につけるのは難しいと思いますが、まずはライフハックの一部として上記の行動をしていきたいと思います。
◆ シリーズ1作目
◆ シリーズ2作目